チェルノブイリ放射線と鳥類の種多様性および個体数(抄録)

法律: 動物 チェルノブイリ 種多様性

低線量の放射線が動物の個体数に与える影響についてはあまりわかっていない。また、生態系とその機能に対する影響もあまりわかっていない。チェルノブイリ事故による放射線が動物に与える影響をめぐって、最近、国連チェルノブイリ・フォーラムが出した結論も、マスメディアの報道も、チェルノブイリ事故後の立入禁止区域では、生態系は繁栄し、多くの珍種が見られるようになっているとの印象を与える。ところが、驚くべきことに、普通の動物について放射線の影響を検討できるような標準的な調査はなされていない。このため、放射線が生態系にどのような影響を与えているかという問題は解決されていない。我々は、チェルノブイリ周辺の森林で繁殖する鳥類について、オーダーの異なる3種類のバックグランド線量における標準化された数の調査を行った。その地域で繁殖する鳥類は、種の多様性も個体数も個体密度も、放射線量が増えるに従って減少していた。これは、土壌や生息環境、植生の高さといった潜在的な交絡要因の影響を統計的に調整したのちにもあてはまる。この影響は表土層の最も汚染された地域に生息する、土中の無脊椎動物を餌とする鳥類に特徴的であった。調査の結果は、チェルノブイリ事故が動物に与えた生態学的影響は、これまで考えられていたよりもはるかに大きいことを示唆している。

A. P. Møller and T. A. Mousseau, "Species richness and  abundance of forest birds  in relation to radiation  at Chernobyl," Biology Letters (2007) 3, 483-486.

A. P. Møller博士はパリのピエール&マリー・キュリー大学所属、T. A. Mousseau博士はサイスカロライナ大学所属。

全文はhttp://cricket.biol.sc.edu/chernobyl/papers/Moller_&_Mousseau_BL_2007b-1.pdfで参照できる。

2011-07-27 12:35:07 / eengine
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[ 原文 ] http://cricket.biol.sc.edu/chernobyl/papers/Moller_&_Mousseau_BL_2007b-1.pdf
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