APCが新たなプロジェクトを発表:「暴力を終わらせる:女性の権利と安全なオンライン」

法律: ICT APC TBTT

APCが新たなプロジェクトを発表:「暴力を終わらせる:女性の権利と安全なオンライン」

Dafne Sabanes Plou for APC

2012年7月11日、アルゼンチン、ブエノスアイレス

APCは、ここ何年かの間に得られた経験と知識に基づき、新しいプロジェクト「暴力を終わらせる:女性の権利と安全なオンライン」を始動する。経験が示してきたこと、そして暴力の犠牲者に支援サービスを提供している団体が明らかにしてきたことは、証拠の構築を有効にするために、技術関連型の侵害行為を記録するためのより組織的な体制が必要だということだ。世界中の女性が同じような種類のオンラインの暴力を経験しているという傾向が示される一方で、組織化されたデータ収集と分析が欠如しているためにそれへの応答が弱くなっている。

プログラムの活動は以下の組織と国で行われる予定である:Colnodo(コロンビア)、Si Jeunesse Savait(コンゴ民主共和国)、KICTAnet(ケニア)、Foundation for Media Alternatives(フィリピン)、Bytes for All(パキスタン)、OneWorldsee(ボスニアヘルツェゴビナ)、メキシコ。これらの国が選ばれたのは、女性のデジタルメディアへの接続性と利用という点でそれぞれに異なるからであり、このプロジェクトの趣旨に照らして妥当な選択である。

今までのところ、APCは、情報コミュニケーション技術(ICTs)、とりわけインターネットが、女性や少女の経験する暴力にどのような影響を与えているかを調査することで、女性に対する暴力(VAW)への対処に類稀な貢献を果たしてきた。この取り組みは2005年に開始されたが、同時に開始された調査は、APCが毎年行っている、非常に評判の良い技術を取り戻せ! キャンペーンに結実した。このキャンペーンは、VAWを止めるためにICTsを利用した活動を動員するものである。日々の活動へ誘うことで、キャンペーンは、女性と少女の団体に最新技術を試してみる機会を提供し、それと同時に反VAWメッセージを広めている。

それ以来、APCは中心的な活動を、オンラインの被害とプライバシーの権利、コンテンツ規制、安全性、セキュリティの問題に広げてきた。2009年から2011年まで、APCはMDG3「技術を取り戻せ! 女性に対する暴力を終わらせる」プロジェクトを実施した。プロジェクトは、女性の権利活動家や団体が技術手段を活用する能力を強化し、女性に対する暴力を終わらせるための活動や発展途上国12カ国において女性に対する技術関連型の暴力の増加への対応に役立てることを目的としている。このプロジェクトは、アジアとアフリカ、ラテンアメリカの3つの地域にある12の発展途上国で行われた。

MDG3プロジェクトは、政府と商業部門の政策決定空間に参加するためのより強い指導的能力を築き上げる手助けをした。その一環として、侵害行為をより組織的に文書化することで法的な救済策について証拠に基づくアドボカシーと分析を強化し、加害者の告発と予防介入に用いることができるようにもした。女性の人権擁護者たちは、技術手段の戦略的利用を通したその影響力と交渉力だけでなく、活動の対象とする範囲を広げることでアドボカシースキルを効果的に向上させる必要がある。

私たちの新しいプロジェクト「暴力を終わらせる:女性の権利と安全なオンライン」は、反VAW闘争におけるAPCの軌道を築くための4年のプログラムと従来のパートナーシップから成り、増大するICTsによる女性に対する暴力を防止することで、女性の安全とセキュリティを向上させるためのものである。オランダ外務省(DGIS)の資金提供を受けている。

プロジェクトは、女性の指導者たち----女性の権利団体の指導者や科学技術産業界の女性、地域社会の指導者、若い女性で指導者に匹敵する人、意見決定者----を対象とするとともに、すでに活動中の女性の権利団体を対象としている。これらの女性の権利団体は、サイバーストーキングやオンラインのセクシャルハラスメント、画像改ざんとプライバシー侵害を含む技術関連のVAWに対処するため、介入とアドボカシー戦略を実施している。

このような形態のVAWは、ますます家庭内暴力と性的虐待の一部となっており、デジタル監視により被害は深刻化するとともに、暴力行為を録音し再生し、電子的に配信することで被害を反復させている。

「オンラインの暴力が暴力であるということを視覚化し、理解し、最終的に実感するには、しばらくかかるでしょう。私たちの仮想的な体は、どうしようもないほど現実の体と結びついているのです」と、2010年と2011年の技術を取り戻せ! キャンペーンに参加し、現在この新たなプロジェクトに関与しているOneWorldseeのValentina Pellizerは言う。「女性の話から、多くのよく似た事例があることに気が付きます。そこでは、科学技術が女性と少女を虐待するために使われ、オンライン空間での表現は、家父長制社会によって押し付けられた差別的な構図に従っています」。

プログラムは、オンラインのVAWの報道と予防に重要な影響を与えるために、女性の機会と指導力を構築する5つの相互に関係のある戦略を用いる予定である:

1. 技術関連型の暴力についての組織的なデータ収集と報道、監視、分析。
2. 国の政策立案者と裁判官、弁護士、現在の法律や規則で利用できるかもしれない救済手段を見分ける上で重要な役割を果たす人などと関与するための女性の指導力を構築する。また、そこで必要とされる、安全性やセキュリティを含む女性の権利を保護しようとする新しい政策を展開するための女性の指導力を構築する。
3. 女性の権利を尊重した企業のユーザーポリシーと業務を発達させるために、ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォームやウェブホスティング会社、携帯電話運用者のようなインターネットと電気通信事業に影響を与えるための女性の能力を構築する。これは、政策決定や規格設定過程において適切に女性を表現することと、ユーザーの安全性とセキュリティを考慮した政策と規格を保証することを含んでいる。
4. あらゆる人々の安全性とセキュリティに対する権利を認めるオンラインの環境と文化を創造するためのキャンペーンを推進する。そのようなオンライン文化は、女性と少女に対して害や暴力をもたらす振る舞いや行為を許容しないだろう。その中には、一致団結した活動や若者の参加という目標も含まれているだろう。
5. 女性の権利団体が、自身の組織的実践における変革を通して、技術関連型のVAWへの対処において、指導者となるための組織的能力を強化する。

APCは報告と監視のためのデータの効率的な収集を目指している。これまで、報告は、机上調査やフォーカス・グループ・ディスカッション、インタビュー、調査を通して、国別の協力者によって行われていた。このプログラムでは、APCは携帯電話とウェブ経由での大規模な情報の獲得と拡散、地図や軌跡による情報の可視化、時間をかけた報道の精製を行うためのオンラインプラットフォームを用いる予定である。私たちはUshahidiとFrontline SMSを利用するつもりである。この2つはフリーでオープンソースのツールであり、特に発展途上国で活動する個人や草の根非政府組織(NGOs)にとって、情報収集と発信への障壁が少ない。

「OneWorldseeにとって、APCが作った地図化空間に加わることは嬉しいどころではありません」とPellizerは言い足す。私たちはみな、個別的な話の収集から、それらの話の継続的な地図化と「事例」を証明する技能へと移行する必要がある。私たちは最初の地図に、研究者や政策決定者、メディアと協力する手助けとなる、活動家やユーザーのプラットフォームを使う予定である。それから、名前をつけ、変革のために活動する。

技術関連型のVAWの防止は、今日の女性に対する暴力を終わらせる上で重要な要素であり、女性と少女のために、生活のすべての領域で、安心かつ安全な環境を創造することに貢献する。

 

  2012-08-05 12:54:32 / shikimi
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[ 原文 ] http://www.apc.org/en/news/apc-announces-new-project-%E2%80%9Cend-violence-women039s
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