アメリカとイラクの今後~平和を守る為に~

法律: 神戸女学院翻訳チーム

 

 アメリカによる悲惨なイラク侵入・占拠をもくろんだ人々らが、化粧を施しケーブルニュースのテレビカメラの前に現れるまでそれほど長くはかからなかった。過激派組織として知られているISIS(イラクとシリアのイスラム国 2014年6月29日からイスラーム国)はイラク全土で勢力を広めており、都市を次々に制圧しながらバグダードに迫っており、強烈な勢いで人々を次々に攻撃していくことから雷の進撃といわれている。ISISは権力が弱体で、汚職で悪名高いイラク中央政府の首相ヌーリー・マリーキー、そして国の不安定さにつけこみ、シリア内戦の悪化に乗じて台頭した。たった数千人の武装した軍隊でISISは、アメリカの納税者の出費により、訓練や教育を施された数十万のイラク軍を見事に打ち負かした。

 ジョージ・W・ブッシュの旧友であるディック・チェイニー、ポール・ウォルフォウィッツ、ウィリアム・クリストル、ポール・ブレマーらはイラク現在の危機に関して、ネットラークの放送時間、さらにバラク・オバマ大統領を非難する意見ページスペースが与えられている。これらの評論家や政治家は2003年にイラク戦争を起こした時とも劣らず誤った発言をしている。

ラクダール・ブラヒミという その地域に詳しいが、アメリカのメディアであまり取り上げられない人物がいる。彼は最近シリア問題に対して国連とアラブ連盟の合同特別代表を辞めた。彼は2年間その代表を務め、ジュネーブでの会談の指揮をとり、シリアに平和をもたらすことを目指した。だが平和への道を作ることができず、悲惨な状況にあるシリアを後に残し、辞職した。

 

 デモクラシー・ナウ!の番組内でインタビューを敢行した際に、彼はずっと言い続けてきた事を再度警告した。「シリアが置かれている状況は感染創の様だ。適切に扱わなければ、広まってしまう。そしてこれが今まさに起こっている事である。」と述べた。ブラヒミ氏は80歳になるまで幅広い経験を重ねていた人物である。フランスの占拠に対するアルジェリアのレジスタンス運動における自由の戦士として、後にアルジェリアの外務大臣、それからハイチ、南アフリカ共和国やアフガニスタンをはじめとする数多くの紛争地域にて国連大使を務めた。さらに彼は世界的平和に働きかけるネルソン・マンデラによって立ち上がった外交官を辞職した人々を集めたグループ「エルダーズ」のメンバーでもある。ブラヒミ氏が思う2003年の侵入以来アメリカが犯したイラクにおける最大の過ちは何かと尋ねると、はえ抜きの外交官として慎重に言葉を選んで答えだした。「最大の過ちはイラクを侵略したことだ。もしかすると、とても不公平かもしれないが、その都度正解と間違いの狭間で選択肢が存在するが、正解を選ぶ事は稀だとどうしても言いたくなる。」と述べた。
 

ブラヒミ氏はブッシュ政権がフセイン政権崩壊後にイラク軍を消滅させたことが過ちだと主張する多数の評論家に賛同しているこの10年、何百億ドルもの兵器や軍用装備品がアメリカからイラク政府へと売られたり、貸し出されたり、与えられたりしている。武器取引の公示はアメリカ政府のウェブサイト上のいたるところで公開されている。300ヘルファイアミサイルの迅速な出荷をはじめ、小型の兵器や弾薬、装甲板のついたハンビィー、アパッチと呼ばれる攻撃ヘリコプター、イラク初のF-16戦闘機の出荷等が公開されている。これらの兵器全てが、マリキ政権に行き渡る途中である。マリキ政権はイラクのスンニ派を遠ざけ、派閥主義と紛争のきっかけを作った事に対しかなり激しく非難されている。
 

 オバマ大統領はジョージ・H・W・ブッシュという空母と誘導ミサイル駆逐艦をペルシャ湾沖に派遣した。彼は最初、「地上で戦う兵士はいないだろう。」と明言にしていたにも関わらず、少なくとも275人の軍人が100人の特殊部隊と同様、バグダッドのグリーンゾーンと呼ばれるエリアにある広いアメリカ大使館を守るため配備されている。マリキ政権はオバマ大統領にISISに対し空襲を開始するよう求めた。


 

サミ・ラソーリは、アメリカのメディアで耳にしないもう一人の発言者だ。彼はイラク人だが、1970年代にアメリカに来てミネソタ州の双子都市 (ツインシティーズ)で10年程有名レストランの経営者になった。2004年にイラク占領が混乱状態に陥った時、彼はレストランを売却し母国 を立て直す手助けをするために、ムスリム・ピースメーカー・チームを設立し完全帰国した。イラク・ナジャフにおいて、彼はアメリカ軍について、「私は、アメリカ軍はペルシャ湾から去り、軍事介入するべきではないと考える。そして軍隊を引き揚げ、アラブ人達やペルシャ湾周辺の国々に問題を解決させるべきだ。容易なことではなく、しばらく時間もかかるだろうが、いつか時が来れば、彼らは解決策を見つけ出すだろう。」  と述べた。

 イラクの現地の人々やアメリカの平和活動家達の声からは大切な教訓を学べる。2001年に9.11同時多発テロに対する報復を目的とした戦争にたった一人反対し、議会に立ったのは共和党のバーバラ・リー議員であった。彼女は今週ツイッターにこう投稿した。「ここで改めて確認しましょう。アメリカは戦争に疲れ切っているのです。イラクでの派閥紛争に軍事的な解決など意味を成さないのです。」と発言した。その後、新たな発言者であるハワイ選出下院議員コリーン・ハナブサ(仏教徒)は「2002年から、アメリカのイラクに対する関与に反対してきた。更なる軍人介入には実質的な目的が欠けており、終わりがない。」と述べ、イラクにおける戦闘活動を防ぐための改正案を提出した。

 オバマ大統領自身がイラクでの戦争に反対したのだ。そのことを今思い出すべきだ。
 

 2014-07-24 12:29:12 / e12092
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