難民高校生への厳しすぎる処置

法律: 神戸女学院翻訳チーム

1月28日の木曜日はノースカロライナ州のダラムでは、ひんやりとした朝だった。ウィルディン・デイビッド・ギエン・アコスタは学校に向かうために外に出たが、たどり着くことはなかった。彼は移民税関捜査局(ICE)の調査官に押し倒されて、逮捕された。それからはずっと拘留中である。現在19歳のウィルディンは2年以上前に地元であるホンジュラスのオランチョを逃げた。アメリカの国境を越える時に留置されたが、未成年だったため、ノースカロライナ州に住む家族のもとに行くことが許された。リバーサイド高等学校に入学し、今年の6月に卒業するはずだった。エンジニアになりたいと思っていた。しかし、彼は今、ジョージア州ランプキンの田舎にある、利潤追求型のCCAが運営する悪名高きスチュワート拘置所に監禁されている。  

ウィルディンはこの数年で中央アメリカの暴力犯罪からひとりで、もしくは母親と一緒に、逃げた数十万人の子供の一人にすぎないのだ。ほとんどはホンジュラスか、グアテマラか、エルサルバドルから来ている。ホンジュラスは現在、世界で最も危険な国の一つとされている。そしてオランチョは殺人発生率のトップであるため、逃げる人は多い。米陸軍と麻薬取締局は両方ともオランチョに特殊部隊を常に駐在させていて、ホンジュラス人も犠牲になる麻薬対策作戦に参加している。  

ウィルディンは連続的に行われた「国境監視者作戦」と呼ばれる移民強制捜査の一部で逮捕された。まだ中央アメリカにいて、北にある米国までの危険な旅に出ようと考える可能性のある人々の間に恐怖感を広めるために行われたのだと思っている人が多い。「何度も言っているが、我々の国境は不法移民を通さないのだ」と国土安全保障省長官のジェイ・ジョンソンが当時言っていた。「不法入国する者は、我々の法律と価値観に従って送り返す」。ウィルディンの逮捕後すぐに、彼の家族、友人、同級生、そして先生が自分達の価値観を示して、ウィルディン本人と、彼と同様な状況で逮捕された他の5人を応援するために集まった。この拘留された若者達はよくノースカロライナの6人(NC6)と呼ばれている。ダラムの人権委員会も市議会もウィルディンを釈放するよう移民税関捜査局(ICE)に要請した。  

「私たちの地域社会は恐怖に包まれている。残念なことに留置された子供は彼だけではないですから」とウィルディンの先生、エレン・ホームズは応援ビデオで言う。「私たちの学校で欠席と中退の原因になっています。学校の中でも地域社会の中でも、大きな恐怖感を作り出しています」。大規模な逮捕や強制送還が中央アメリカからアメリカ合衆国への難民の流れを縮小させている証拠は乏しいが、すでにアメリカに住んでいる学生とその家族を間違いなく怯えさせている。ウィルディンと同じように連れて行かれないために子供を欠席させている。 

ウィルディンの亡命者保護申告が拒否されて、そして3月19日に、移民判事が再審理するための上訴を拒否した。ホンジュラスへの強制送還が3月20日に決定されていた。しかし、若者主導の草の根運動の引き起こした世論の圧倒的な圧力に屈して、移民税関捜査局長官のサラ・サルダナがその日の朝に彼の強制送還を遅らせる指令を出した。ウィルディンの亡命者保護申告は移民上訴委員会に提出され、決断まで数か月、もしくは数年もかかる過程である。 

「釈放されるべきです。90日とは、どのような基準から見ても、拘留される期間としてはひどすぎます」とパロミタ・シャーがデモクラシーナウ!ニュースアワーで言った。彼女は全米弁護士協会の全米移民プロジェクトの副代表である。リバーサイド高等学校の学生数人とその先生のエレン・ホームズと一緒にワシントンD.C.にいて、連邦議会議員と教育省長官のジョン・キング・ジュニアに会って、ウィルディンの支持を呼び掛けていた。

 アクセル・ヘララはワシントンに同行した生徒の一人である。彼はウィルディンと同じようにホンジュラスから来た不法移民だが、7歳で入国したため、若者の国外退去処分延期措置(DACA)が適用された。「僕たちはノースカロライナ州の地元代議員と話をし、電話をかけ、手紙を送りました。NC6の解放に向け、支援をすると答えてくれた代議員もいました」と語った。「しかし、ウィルディンと他のNC6の若者の一部を学校生活に戻すという、本来望んでいた回答はもらえていません」。  

ウィルディン・アコスタは、ジョージアにあるICEの民営刑務所に未だ勾留されている。当初、教材を送ってほしいという要請は拒否され、民衆による抗議の後、刑務所長の許可が下りた。多くの高校生が学業を怠ることで居残りの罰を受けている。ウィルディンは恒久的な居残りの罰を受けながら、学ぶ権利のために戦わなくてはならない。それが「アメリカ国民の価値観に基づく」信念であり責務であると、ジェイ・ジョンソンとICE職員のすべてが賛同しているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 2016-07-25 18:36:59 / tkkobe
原文サイトを表示
[ 原文 ] http://www.democracynow.org/2016/5/26/homeland_security_secretary_jeh_johnson_takes
Creative Commons License この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス