フィリピン 2017-2018 年次報告書

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 警察と他の武装した個々人による数千の違法な殺害が政府の薬物追放キャンペーンの一部として続いた。キャンペーンに批判的な人権擁護者たちは大統領と彼の協調者らにより槍玉に挙げられて標的にされた。戒厳令の状態はミンダナオ島で宣言されて2回延長され、より一層の人権侵害の恐れを引き起こしている。死刑を再導入する幾つかの試みは下院により法案が通った後,上院で引き止められた。

## 超法規的処刑と即決の殺害

 意図的な、非合法の広範囲にわたる推定された薬物常用者の何千もの殺害は当局により組織的に、企まれて奨励されていたことが明らかになった,そして人間性に反する犯罪を構成していた恐れがある。大部分の殺された人々は貧しい都市集落の出身だった[^1]。超法規的処刑の続発中に,警察と警察とのつながりがある銃器携帯者らが被疑薬物常用者たちを殺したか殺すよう他の人々に金を払ってやらせたという証拠を排して,当局らはいかなる非合法の死亡も否定することを続けた。1月には,大統領は暴力的な薬物追放キャンペーンを警察保護観察下の韓国籍者の殺害事件の後,1ヶ月間中断した。3月には,警察の作戦行動での薬物違反容疑者への非合法の殺害が再開し、それと同様に他の武装した個々人による薬物に関係した殺害も遂行された。警察の薬物追放作戦行動での1日当たりの殺害件数は8月には32人に達した。警察は薬物を使用しているか売っていると申告されたが裏付けられていない人名一覧に依存することを続けた。9月には数週間のうちの3人の十代の少年の殺害が全国的な抗議を発火させた。監視カメラの映像と目撃証言は3人のうちの一人である17歳のキアン・デロスサントスの殺害に関する警察の弁明と矛盾する。彼は法医学の専門家たちと証人たちによれば超法規的に処刑されていたことが明らかになった[^2]。

 10月には,ドゥテルテ大統領は,フィリピン薬物強制執行機関がフィリピン国家警察から薬物キャンペーンを引き継ぐであろうことを公示した。しかしながら,2ヶ月経たないうちに,未解決の論点を排して,警察が薬物追放作戦行動に再合同するかも知れないと公示された。薬物違反容疑者の殺害への有意の捜査は実施されることに失敗した;責任があると見なされた警察官はいなかった。犠牲者の親族は警察に対して苦情を申し立てたならば報復されることを引き続き恐れている。

## 表現の自由

 人権擁護者たち、とりわけ政府に批判的な人々は脅しと威嚇に直面した。報道記者たちは危険で時には命にかかわる環境で業務した。8月にはラジオ放送者ルディ・アリスウェイと特約寄稿家レオドロ・ディアスは南サンボアンガ州とスルタン・クダラート州でそれぞれ射殺された。ラジオ放送者クリストファー・イバン・ロサダは10月に南スリガオで正体不明の銃撃者らにより殺された。

## 人権擁護者たち

 人権擁護者たちに対する攻撃は大統領が警察を「司法妨害」していた人権擁護者たちを「撃つ」よう奨励したことに従って増加した。2月には,前司法長官で前フィリピン人権委員会議長のレイラ・デリマ上院議員が薬物取引の罪状で逮捕された。年末に彼女は首都マニラのフィリピン国家警察本部で拘留されたままだった;そして有罪となれば12年から無期懲役となる可能性がある。罪状は政治的に動機付けられデリマ上院議員が「薬物戦争」の最も著名な批評家として明るみに出てから政府により意図的に標的とされたと信じられている[^3]。人権委員会に対する攻撃は薬物追放キャンペーンの中で「容疑者らに与する」として法律作成者らが非難するに従ってまた度を増し,上院で決定が覆される以前に,わずか20米ドルの予算を承認することで 大騒動を引き起こした。各人権団体は,ミンダナオ島の戒厳令宣言ならびに共産主義反乱軍(NPA)と政府との間の平和会談が決裂したことに引き続いて起こった,政治的活動家および左翼に位置づけられる個々人の恣意的な逮捕と拘束、超法規的処刑の増加した数の報告で懸念を表明した。

## 死刑

 各国際団体は死刑廃止を目指すICCPR(国際人権規約)の第二個別採択可能議定書の締約国に特有であるフィリピンの国際的義務を引用しながら死刑を再導入するという2016年に提案された計画を廃棄するよう政府 に要求した。その刑罰を再導入する草案は3月に下院により採択されたが反対意見を受けて上院で引き止められた。

## 内部の武力紛争

 ドゥテルテ大統領は5月23日にミンダナオ島での戒厳令を宣言した。戦いは武装集団イスラム国(IS)への忠誠を盟約したマウテ派を含む過激派連合と政府軍との間にマラウィ市で勃発した。衝突は何人かの過激派リーダーらを軍部が殺した10月に終結した[^4]。ISと同盟した過激派はキリスト教徒市民を,標的とし最低でも25件の超法規的殺害を犯したそして遂行した大量の人質捕獲と広範囲な民間人の所有物の略奪を,それらは戦争犯罪と同然であった。フィリピン軍は避難する民間人を拘束し悪く扱った,軍はまた略奪行為に参加した。彼らの広範囲にわたるマラウィ市の過激派にとられた地域への爆撃は地域一帯を壊滅させ民間人を殺した,それは国際人権法順守への調査の必要性を強調させた。それに呼応して、フィリピン軍は自らが戦争犯罪の陳述を精査するであろうと述べた。戒厳令は軍事規定がさらなる人権侵害を許しかねないという懸念の最中の12月に2度目の延長がなされた。

## 拷問と他の悪い扱い

 4月に秘密の留置所がマニラの警察署の中に発見された。フィリピン人権委員会はその発見に対して,拷問と他の悪い取扱いの供述に沿って行政監察局が捜査するよう言及した。

治安部隊らはマラウィでのフィリピン武装部隊らとマウテ派のおよそ5か月間にわたる戦闘での拷問と超法規的処刑で告発された。

国連拷問禁止条約の選択的議定書下でのフィリピンの責務に基づく国家的予防機構を確立させるための法案は年末まで採択されなかった。

## 子供たちの権利

 ドゥテルテ大統領は子供たちの権利団体と国連からの広い違反宣告を生起しながら犯罪責任の最低年齢を下げることを誓約した。矯正革新に関する副委員会により5月23日に少年法と福祉法を改正する法案は犯罪責任の最少年齢を15歳に留め置きながら採択された;だが法廷での裁量を待つ間に9歳もの幼さの子供たちを満員でしばしば不衛生な短期間の矯正施設に収容する条文を導入した; 目指すところは犯罪責任の最少年齢を12歳に下げることだが懸案事項に留まった。

## 健康への権利

 全国的な薬物追放キャンペーンは身体的および精神的健康の最高の達成可能標準を享受する人々の権利をむしばんだ。多くの薬物利用者らは強制的で不適当な取り扱いと社会復帰主導権を強要され,本質的な公共医療を受ける機会を妨げて薬物軽減プログラムを害した。

## 性と産む権利

1月に,ドゥテルテ大統領は2012年の生殖健康法の具現化を強化する大統領令に署名した:それは家族計画と産児制限補助を受ける機会をより大きく提供することを約束した。

### 脚注 ###-[^1] 『もし貧しければ,殺される』フィリピンの薬物戦争の中での超法規的処刑(ASA35/5517/2017).  [^2]『フィリピン:国が聴取している明るみに出た'薬物戦争'の中の子供たちにとって死に至る結末』(News story,8月24日).  [^3]『フィリピン:政治的に動機付けられた上院議員の切迫した逮捕』(ASA35/5772/2017).  [^4]『マラウィの戦い』:フィリピンでの死と破壊(ASA35/7427/2017).

 

2018-03-17 08:09:46 / yasukazu
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[ 原文 ] https://www.amnesty.org/en/countries/asia-and-the-pacific/philippines/report-philippines/
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